海苔に含まれる三つの旨味成分

 

日本の食卓には欠かせない存在である海苔は、ご飯のお供として使用することはもちろん、海苔ならではの磯の風味はさまざまな料理に美味しさをプラスしてくれます。 そんな海苔の美味しさの秘密である旨味成分は、基本的にグルタミン酸とイノシン酸、グアニル酸の三種類となっています。まずグルタミン酸については、同じ海藻である昆布などの植物性食品に含まれていることでも有名であり、素材の良さを邪魔しない旨味として重宝されており、イノシン酸は鰹節などの動物性食品に含まれていて、グルタミン酸よりも豊かな香りが特徴的です。そしてグアニル酸は干ししいたけなどに含まれている旨味成分で、独特な香りや風味を持っています。 このように海苔には三種類の旨味成分が含まれており、それゆえに互いの相乗効果によって、一つだけの成分よりも高い旨味を感じ取ることが可能です。これは昆布や鰹節といった食材よりも旨味に関しては優っていることにもなり、この相乗効果による旨味は、日本独特の出汁にも通じるところがあります。ちなみに出汁は基本として最初に昆布でグルタミン酸を、続けて鰹節でイノシン酸を引き出し、この二つが重なったことで一つだけのものよりも高い旨味を得ることが可能となります。しかし海苔の場合、最初からグルタミン酸とイノシン酸を保有しており、さらにはそれにグアニル酸も加わっています。それゆえに海苔はそれだけで充分高い旨味成分を感じ取ることができ、大変効率的な食材と言えます。

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